2023年10月24 日、マラネッロ発
フェラーリは本日、ワンオフシリーズの最新モデル、フェラーリSP-8 を発表しました。SP-8 は、フェラーリのスペシャル・プロジェクト・プログラムのひとつとして、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターがデザインし、レイアウト、シャシー、エンジンをF8スパイダーから受け継ぐミッド・リアエンジンV8です。ワンオフであるSP-8は、フェラーリの中でも霰もエクスクルーシブなセグメント、個々の顧客が希望する仕様に合わせて作り込まれた唯一無二のモデルという、神聖な地位に仲間入りしました。まさに跳ね馬のカスタマイゼーショ ンの頂点を体現しています。
車名は、 3.9リッターV8ツインターボニンジンを称えて付けられました。このパワーユニットは史上屈指の高い評価を得ており、名誉あるエンジン・オブ・ザ・イヤー(IEOTY) を4年連続で受賞しています。また、SP-8を依頼したクライアントが台湾出身であることから、「8」という数字には重要な意味があ ります。中国文化では伝統的に、発展、 幸運、目標成就と結びついた非常に縁起のよい数字とされているからです。
SP-8の最もユニークな特徴は、ルーフがないことです。あらゆる点で純血のサラブレッド2シーター・ロードスターであり、そのスポーティなキャラクターと、ひと目で興奮をかき立てるビジュアル、オープンエアならではのドライビング・エクスペリエンスが強調されています。このソリューションを実現するには、エアロダイナミクスの徹底的な開発が必要でした。流体解析 (CFD) シミュレーショ ン、風洞実験、サーキットでの走行テストを重ねた結果、ベースモデルに匹敵する音響快適性が保証され、同じように風の感触を楽しめます。
スタイリングでは、ボディの各部分が交差し、融け合う様が中心テーマとなっています。未塗装のカーボン ・ファイバー製フロントエンドがテールまで回り込み、ツートーンに見える効果を生み出して、色と素材の両方が強烈なコントラストを描いています。リトラクタブル・ハードトップの排除によって、デザイナーはテールセクション全体のスタイルを抜本的に見直し、引き締まったベルトラインを持つひとつのフォルムにまとめ上げました。ボディは大きく 2分割され、様々な機能が集まった中央エリアでつながっています。このマットブラックのエリアにあるサイド・エアイ ンテークは、インタークーラー用とエンジン用に独立したダク トを備えています。この帯の上部には、エンジン・コンパートメントからの排気口があります。その縦方向のエレメントは、かつてのフェラーリによく見られた横方向のストレーキをインスピレ ーションとしています。
フロントの印象を支配しているのは、堂々としたフルワイ ドのアルミ鋳造グリルで、3Dプリントで作られた単体の型を使って製作されました。グリルにも同じストレーキのテーマが採用されています。こちらは垂直方向で、正面から見ると間隔がサイドに向か って少しずつ広がって おり 、これが左右のフロント・ラジエーターヘ気流をスムーズに導きます。このエレメントの角度は、フェラーリ・スタイリング ・センタ ーとエアロダイナミクス・チームとの緊密な連携によって最適化されました。チームはCFDを駆使して何力月もかけてこのモデルを磨き上げました。
SP-8でドナーカーから再設計された部分は、これだけではありません。ヘッドライトは特別なマスクとレンズを備え、テールライトは Romaを元にしており、レンズは特殊仕様です。さらにはウィンドスクリーン、296GTBと同じ処理が施されたテールパイプ、専用カラー（マットなグリジオ NART)で特別にデザインされたホイールリムもあります。
特殊な形状をした5本スポークのホイールは、この1台のた めの専用デザインで、フ ェラーリのスポーツ・プロトタイプや伝説の F40に採用されていたクラシックなリムを、現代風にアレンジしています。深く彫り込まれた部分と、軽量化のために設けられた大きな開口部が、ボイール全体の美しさと切り離せない巧妙なデザインの一部となっています。
車内では、センターコンソールに重要な変更が加えられました。 SF90 Stradaleのデビュー以来、フェラーリのラインアップに採用されてい る F1ギアボックス・コマンドを装備したのです。そのために、今やおなじみとなったシフトゲートを、このモデルのためにモディファイしました。 シートは、レーザーエッ チングを施したネイビーブルー・アルカンターラⓇのディテールと、グラデーション効果のあるクロスを組み合わせています。さらに、カーペットは玉虫色に見える特殊なツイル織りです。
マットなボディカラーは、SP-8のために特別に作られた「アルジェント・ミカリッザート」で、同じく特別な色と仕上げ（光沢のある玉虫色のブルー・サンドストーン）のカーボン・ファイバーセクションと見事に調和しています。2 つのポディワークをつなぐカラー「ブルー・スクーロ・ステッラート」も、特別に閉発されたものです。
SP-8は10 月24日の朝から2023年フェラーリ・フィナーリ・モンディアー リ終了まで、ムジェロ・サーキットで展示されます。その後はマラネッロのフェラーリ・ミュージアムで、 2023年11月16日から2024年3月まで展示される予定です。
スペシャル・プロジェクト・プログラムは、クライアントの要望に添ったエクスクルーシブなデザインを特徴とするユニークなフェラーリ（いわゆる「ワンオフ」）を生み出すことを目的としており、そのクライアントが唯一無二のモデルのオーナーとなります。各プロジェクトは、クライアントのアイデアを出発点とし、フェラーリ・スタイリング・センターのデザイナーチームと手を携えて開発されます。車両のプロポーションとフォルムを決定したら、デザインを詳細に検討し、スタイリング用クレイモデルを製作した上で、新ワンオフの製造工程に入ります。全工程には平均で約2年を要し、その間、クライアントはデザインの評価や検証プロセスに密接に関わります。こうして、跳ね馬のロゴを装着し、マラネッロ生まれの全モデルと同じ卓越した水準で設計されたユニークなフェラーリが誕生するのです。