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22 May 2023

Ferrari Roma Spider が日本初上陸

Ferrari Roma Spider が日本初上陸

2023年5月18日、フェラーリ・ジャパンは、今年3月にモロッコのマラケシュにてクライアント限定でお披露目されたFerrari Roma Spider を、早くも日本で初公開しました。レインボーブリッジと東京ベイのパノラマビューを望む都内の特設会場は、“ラ・ノーヴァ・ドルチェビータ”(新しい甘い生活)の世界観に染まり、招待顧客は優雅なひとときを楽しみました。

また、イベント会場で登壇したフェラーリ・ジャパン、代表取締役社長のフェデリコ・パストレッリは、「私たちは、オープンカーを愛する人、そして初めてオープンカーを試してみたいと思うお客様のために、特別なクルマを作りました。Ferrari Roma Spider は、ドライビングスリルを最大限に楽しめるクルマです。都会を離れ、美しい道を走ることで、週末を最高のものにすることができます。あらゆるシチュエーションに対応する完璧なドライバビリティを追求した車なのです。」と語りました。

タイムレスなエレガンスと優れたパフォーマンスを兼ね備えるこのモデルは、1950~60年代の喜びにあふれたシックなイタリアン・ライフスタイルを現代的に再解釈して生まれました。V8の2+クーペとして大成功を収めたFerrari Roma のプロポーション、フォルム、スペックを受け継いでいますが、特に際立っているのがソフトトップの採用です。このソリューションを使うフロントエンジンモデルが跳ね馬のラインアップに復活するのは、1969年の365 GTS4 以来、実に54年ぶりのことです。

多彩な魅力にあふれたFerrari Roma Spider の個性を強調するように、ソフトトップには現代的で新鮮なデザインが施され、洗練された専用ファブリックやアクセントのステッチを含め、パーソナライゼーションのオプションが豊富に用意されています。機能面を見ると、ソフトトップはわずか13.5秒で開閉し、最高60km/h で走行中にも稼働できます。極めてコンパクトなため、大きなトランク容量が確保され、汎用性に優れたモデルとなりました。特許取得の新ウィンド・ディフレクターは、リアのベンチシートのバックレストに組み込まれています。センタートンネルのボタンひとつで作動し、車内のスペースをまったくとらずに比類ない乗員快適性を保証します。

Ferrari Roma Spider は、Ferrari Roma の卓越した動的性能を受け継いでおり、クラス最高のパワーウェイトレシオを誇ります。これにはソフトトップだけでなく、総アルミニウム製のシャシーと、最高出力620cvのV8も貢献しています。このエンジンは、4年連続で「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を獲得したエンジンファミリーに属し、これと組み合わされるフェラーリの8速DCT は、信じられないほどの素早い変速や、優れた快適性と機械効率の高さは広く称賛されています。

Ferrari Roma Spider は単に扱いやすいだけでなく、極めてダイナミックでレスポンスも優れているため、週末に郊外へ出掛けるときにも、より長距離のドライブにも最適です。いうまでもなく、胸が高鳴るフェラーリのV8 サウンドが常にBGM となります。また、抜群の汎用性をもたらす数多くの装備が揃います。トランク容量は同カテゴリー最大で、リアシートのバックレストがハッチになり、大きなアイテムも運べるほか、標準でAndroid Auto®およびApple CarPlay®によるWi-Fi 接続が可能です。人間工学的に優れ、18種類に調整できるヒート付きシートも忘れるわけにはいきません。シートには、寒い日に活躍するネックウォーマーもオプションで用意されています。

Ferrari Roma Spider 固有のスタイリングテーマとなっているのが、ルーフの基部を走るボディと同色のバンドで、そこでルーフおよびリアスクリーンがカーボン・ファイバー製のアクティブ・スポイラーと分かれています。これによって、シームレスに組み込まれたトノカバーが生まれました。ソフトトップを格納すると、アクティブ・スポイラーはリアベンチやヘッドレストとつながって見えます。大半のコンバーチブルに見られる通常のベーシックなファブリックと違い、Ferrari Roma Spiderのソフトトップには新素材が使われ、洗練された雰囲気を醸し出しています。この特別なファブリックは、Ferrari Roma Spider の2 つの側面を強調して、ひとつはエレガントに、もうひとつはスポーティーになるよう、カラーコンビネーションを選び、織り方を開発しました。2 トーンの織りを4 色から選んでビスポークの仕上がりにできる点も、このファブリックが洗練されたオートクチュールの性格をもつことをよく示しています。Ferrari Roma Spider のため特別に開発されたオプションのテクニカルなファブリックを選べば、スポーティーであると同時に極めて洗練されたオーラが漂います。革新的な織り方によって、虹色の光沢が目を引く美しい赤に仕上げられ、ルーフの立体的形状が強調されます。

Ferrari Roma Spider のエクステリアでは、クリーンなデザインを中心に据えて、様々な要素を完全に融合させるアプローチをとりました。調和の取れたプロポーションとピュアでエレガントなフォルムは、フェラーリのフロントエンジンGTの伝統を色濃く反映しています。とはいえ、デザイナーはそうしたクラシカルなプロポーションを現代的に再解釈して、モダンで洗練されたスタイリッシュなデ ザインに仕上げました。長いフロント・ボンネットによって、サイドボディのすっきりとしたシルエットが強調されて、ボディ全 体が滑らかな印象となり、ダイナミックなルックスとなっています。落ち着いたシンプルなフロントエンドは、まるで1 個の金属の塊から削り出されたような印象で、突き出したシャークノーズを形成しています。ボンネットはフェンダーのしなやかなカーブと溶け合い、フェラーリの伝統的なスタイリングと自然な調和を醸しています。デザイナーは、エレガントなミニマリズムのフォルムを生かすため、エアベントや不要な装飾を一切排除しました。例えば、発表仕様にはスクーデリア・フェラーリのサイド・シールドすらありません。これは1950年代のロードカーと同じアプローチです。フロントグリルは、厳密に必要な部分にのみパーフォレート加工を施した平面でエンジンの冷却エアを確保するという、新コンセプトを採用しています。この特徴的なソリューションは、ボディワークと同色 で仕上げられ、シームレスなスタイリングとなっています。フロントグリルの両端は、直線的なフルLEDヘッドライトへと流れ込んでいます。ヘッドライトはフロントエンドに独特の個性を与えており、これを水平に横切るDRLのラインは、ボディパネル内部の構造をうかがわせ、車両全体に緊張感を与えています。ファストバックのコンパクトなキャビンは後方寄りに配置され、テールは控えめなスポイラーで終わっています。デザイナーはその下に、フェラーリの特徴的なテールの現代版を作り出しました。Ferrari Roma Spider のリアの長いオーバーハングは、1950~60年代のフェラーリの特徴的要素で、このモデルではプロポーションが変更され、低いコンパクトなふくらみがリア・アクスルを包み込んでいます。テールはラップ・アラウンド形状で、船尾のようなトランサムのスタイリングが、ピュアでモダンな印象です。技術的進歩によりテールライト・アセンブリーのサイズ縮小が可能となり、ミニマリストでアイコニックなデザインとなりました。そして、フェンスとテールパイプを含む、コンパクトで空力効果の高いディフューザーが、リアを締めくくっています。

Ferrari Roma Spider のキャビンはほぼシンメトリーなレイアウトで、空間と機能の両面が、より有機的に分散されています。そのため、パッセンジャーもコ・ドライバーのように、ドライビング・エクスペリエンスに強く関与する感覚を味わえます。室内空間は彫刻のように造形され、キャビンの様々な要素すべてに質感のつながりが感じられます。

無駄をそぎ落として生まれた2 個のコックピットは、パイピングの縁取りで強調され、ぐるりと取り囲むラインで繭のように包み込まれています。そのラインがダッシュボードからリアシートにまで伸び、ダッシュボード、ドア、リアベンチ、センタートンネルを有機的に結びつけています。このようにキャビンは、ばらばらのサブ・アッセンブリーの集合としてデザインされているのではなく、有機的に発展した要素で構成されています。

採用されているテクノロジーは、Ferrari Roma から生まれたものです。デジタル・インストゥルメント・クラスターは、周囲の空間と融合し、ダッシュボードから滑らかに伸びる反射防止ビナクルに守られています。パッセンジャー側にオプションのディスプレイを備えれば、ドライビングの情報を共有できます。左右のコックピットの間には、8.4 インチのセンター・ディスプレイがあり、ダッシュボードとセンタートンネルの間に部分的に浮かぶ形で設置されており、他のインフォテインメントや空調機能の操作が可能です。

F1 ギアボックス・コントロールは、過去のアイコニックなシフトゲートを思わせるモダンなメタルプレートに設置されています。Ferrari Roma Spider では、ドライバーから届きやすく見やすい角度で、センタートンネル中央に取り付けられています。

ステアリング・ホイール上のHMI は、スポークにタッチコントロールを装備したFerrari Roma から、いっそう磨きがかかり、洗練されました。左スポークには、各タッチコントロールを示す刻み目が付いたので、ドライバーは使いたいものを感覚で確認できます。右スポークのタッチパッドも進化し、刻み目が付いてスワイプしやすくなりました。こうしたソリューションによって、ドライバーはどこに操作ボタンがあるか分かり、フェラーリがかなり前から採用している「視線は路上に、手はステアリング・ホイールに」の理念を実現させています。エンジン・スタートボタンも、このモデルでは赤いバックライトが付き、アイコニックなフェラーリのツインターボ・エンジンが目覚めたときの興奮を強調しています。

Ferrari Roma Spider のエンジンは、「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」を4 年連続で獲得し、2018年に「過去20年で最も優れたエンジン」にも選ばれているV8ターボのファミリーに属します。3,855ccのパワーユニットは、7,500rpmで最高出力620cvを叩き出し、比出力は161cv/Lに達します。これに加えて、わずか1,900rpmから最大トルクの80%を発揮するため、低回転域でもフレキシブルなピックアップが実現しています。Ferrari Roma Spider では、オイルポンプが重要な進化を遂げ、コールドスタートでの油圧上昇時間が70%短縮すると共に、中回転域での流量も増加しました。同じ改良はFerrari Roma にも導入されており、継続的な研究・開発に対するフェラーリのコミットメントを証明しています。すべてのフェラーリモデルと同様、Ferrari Roma Spider でも瞬時のスロットル・レスポンスが実現しています。これには、複数の特殊なソリューションの採用がダイレクトに貢献しました。例えばフラットプレーン式クランクシャフトは、サイズの縮小で回転質量が減少し、流体力学を向上させました。また、タービンの小型化で慣性モーメントを低減し、各気筒からの排気ガスを別々のスクロールで導くツインスクロール技術で、排気脈動の圧力を高めてパワーを最大限に得ています。さらに、エグゾースト・マニホールドは一体鋳造の等長パイプとし、タービン内の圧力波を最適化してロスを低減しま した。Ferrari Roma Spider は、フェラーリが開発したバリアブル・ブースト・マネジメントを採用しています。これは、選択したギアに合わせてトルク・デリバリーを調整する制御ソフトウェアで、回転数の上昇に合わせていっそう力強いピックアップを実現すると同時に、燃費も最適化します。エンジンから伝達されるトルクはシフトアップするにつれて増大し、7速と8速で最大の760Nmに達しま す。これによって、高速ギアに高めのギアレシオを採用することが可能となり、燃料消費量と排出ガスの抑制につながりました。その一方で、低速ギアでは全回転域でより急角度のトルクカーブを採用して、スムーズで安定したピックアップを実現しています。ギアボックスはオイルバス式デュアルクラッチ機構をベースとし、SF90 Stradale で導入された8速ギアボックスの派生形です。主な変更点は、高めのギアレシオと、リバースギアの追加です。コンポーネントの新たなレイアウトや一体化によって、ギアボックスのサイズと車両への搭載が最適化されています。8速の導入と、トランスミッションの効率アップによって、パフォーマンスで妥協をすることなく、市街地や高速道路での燃料消費量を削減できました。スポーティーなドライビングであっても、顕著に向上しています。この結果をもたらした主な技術的要素は、低粘度オイルとドライサンプの採用で、これによって流体力学的ロス(飛沫拡散)が最小限に抑えられています。また、特殊な設計のディファレンシャルも採用しています(ピニオンギアの入力軸がオフセットしておらず、スリップスピードを縮小)。クラッチ・モジュールは、従来の7 速型より20%小型ですが、トルク・デリバリーは35%増加し、変速時に伝達される動トルクは最大1,200Nmにも達します。トランスミッションのソフトウェア戦略も、よりパワフルなECU や、エンジン・マネジメント・ソフトウェアとの統合性向上によって進化しています。なかでも燃費と排出量を低減する戦略には細心の注意を払い、特にアイドリング・ストップ機能の使用時に大きく向上しました。フェラーリ・エンジンは、それぞれを特徴づける固有のサウンドを備えますが、Ferrari Roma Spider のエンジンも例外ではありません。エンジンの点火順序とシンクロするフラットプレーン式クランクシャフトに加えて、等長エグゾースト・マニホールドがサウンドを整えます。また、Ferrari Roma Spider はFerrari Roma の排気経路をすべて踏襲し、2個のリア・サイレンサーを排して、新ジオメトリーのバイパスバルブを採用しています。バイパスバルブは連続的かつ漸進的に制御を行うため、エンジン・サウンドとパフォーマンスがドライビングの状況に応じて強調されます。

ファブリック製ソフトトップの採用と、それによって間接的な影響を受けたボディワークのジオメトリーが、エアロダイナミクス開発の出発点となりました。Ferrari Roma の低ドラッグは変えずに、ダウンフォースを効率的に発生する能力を組み合わせるため、ルーフのラインと前方部分のカーブは、徹底的な数値解析を行い、プロジェクトの目標が達成できるよう、エアロダイナミクス部門の主導で決められました。Ferrari Roma Spider では、ボディワークの変更によって、可動スポイラーにも新たなジオメトリーが必要となりました。そのデザインは、このモデルのスタイリングと新たなルーフラインに合わせて、緻密に磨き上げられました。スポイラーはFerrari Roma と同様に、ボディに作用する前後・左右の加速度や車速に応じて展開・格納されますが、スパイダー特有のキャリブレーションが施されています。そのため、3種類のポジションはルーフオープン時の走行に特別に合わせたものとなっています。こうして、Ferrari Roma Spider は高度なハンドリングを要する状況でも高速走行時にも、Ferrari Roma に匹敵するダウンフォースを発生し、常に空力バランスのとれた状態を維持するので、同じように胸躍るドライビングが楽しめます。特に細心の注意を払ったのが、ルーフを開けた際の空力的な快適性で、なかでも車内の乱気流と風切り音を最小限に抑えることに重点的に取り組みました。ソリューションを選択する際は、ルーフ開閉の移行をシンプルにする必要性を重視し、コックピットを快適に保つ空力的な“泡”を作り出すコンポーネントの面を、自動で動かす手法が選ばれました。まず、新たなウィンドスクリーンのヘッダーレールには、気流が分離する部分に5mmのノルダーが設けられました。次に、停車せずに展開できる特許取得の自動ウィンド・ディフレクターの開発に取り組みました。ウィンド・ディフレクターを稼働させたいときは、センタートンネルにあるボタンを押すだけで、(後席乗員がいない場合)リアシートのバックレストが前席乗員の頭部の後ろに来るように回転します。この位置を取ると、通常なら車両後方からキャビンへ巻き込まれる気流がそらされ、乗員の周囲には空気が比較的静止した空間ができます。長身のドライバーでも、以前の2+スパイダーに比べて、頭部周囲の乱流の抑制効果が約30%向上しました。展開式ウィンド・ストップの透過性を高めるため、中央部に横長の開口部を設けています。これは、空力ダクトとして作用するよう角度が調整されており、上から見ると両端が細くすぼまった形状です。この2つのジオメトリーによって、キャビンに吹き込むどれほど強力な気流も、乗員から十分に離れたところでそらされます。ウィンド・ストップ中央のダクトは、キャビンに吹き込む気流の一部を後席に向けて下向きにそらし、速度の遅い気流と合流させます。すると気流のエネルギーがほとんど失われるので、車内の乱気流が効果的に抑制されます。その結果、乗員を取りまく泡が、特に頭部周囲で拡大し、オープンエアでも比類ない快適性が保証されるのです。この目標を達成するためには、展開式ウィンド・ストップの形状、角度、透過性のすべてが不可欠であり、その開発では、CFDシミュレーションと数多くの風洞作業が行われました。最も目を引くダウンフォース発生エレメントは、いうまでもなくアッパーボディ後部のアクティブ・スポイラーでしょう。可動スポイラーはトランクリッドに巧妙に隠されており、車両のラインを一切損ねていません。しかし、特殊なメカニズムによって、ロー・ドラッグ(LD)、ミディアム・ダウンフォース(MD)、ハイ・ダウンフォース(HD)の3種類のポジションに展開します。低速走行では、ダウンフォースが車両パフォーマンスに及ぼす影響がわずかなので、スポイラーは自動的にロー・ドラッグのポジションを取ります。この状態は車速が100km/hに達するまで変わりません。300km/h超ではスポイラーはMDモードです。そうした状況下では高い車両バランスが求められるからで、ドラッグへの影響を最小限にするためでもあります。ダウンフォースがパフォーマンスを左右する中心的役割を果たす速度域では、スポイラーはMDポジションを取り、車両の前後・左右の加速度に応じて、HDポジションに変わります。閾値は変動し、マネッティーノのポジションとリンクしています。ミディアム・ダウンフォース(MD)モードでは、可動エレメントはリアスクリーンに対して150°の角度を取ります。この位置では、最大ダウンフォースの約30%を発生しますが、ドラッグの増加は1%未満です。ハイパフォーマンスのハンドリングとブレーキングが求められる状況では、可動エレメントは自動的にHDポジションに動き、最大のダウンフォースを発生して車両の態勢を整え、すべてのフェラーリに備わるドライビングの興奮を発揮できる状態にします。最大の高さ(HD)に展開すると、可動エレメントはリアスクリーンに対して135°の角度となり、250km/hで約95kgのダウンフォースを発生しますが、ドラッグの増加はわずか4%に留まります。フロント・ダウンフォースの増加は、その大部分が、このモデル専用に最適化されている1 組のボルテックス・ジェネレーターによってもたらされました。そのエリアに強力なボルテックスを集中的に発生させて、グラウンド・エフェクトを作り出すと同時に、フロントタイヤからの後流を整えて、極めて効率的にダウンフォースを発生させます。

Ferrari Roma Spider のビークル・ダイナミクスの開発目標は、Ferrari Roma に匹敵する優れた走りの興奮とハンドリングの正確性を実現することでした。これに貢献しているのがサイドスリップ・コントロールで、フェラーリが開発したアルゴリズムを使ってサイドスリップを瞬時に予測し、搭載する様々な制御システムすべてに伝達します。このデータを活用して、迅速かつ正確な介入が適切なタイミングで協調して行われるのです。サイドスリップ・コントロール(SSC)システムはバージョン6.0を搭載し、これが車両のビークル・ダイナミクス・システムをすべて統合します。その中でも特筆すべきなのがフェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDA)で、マネッティーノの「Race」ポジションでのみ作動します。FDA は、横方向のダイナミクス制御システムで、制御を必要とする動的状況に合わせて、4輪すべてのブレーキキャリパーで油圧によるブレーキ圧を素早く調整します。これによって、コーナリングから立ち上がりまで、横方向のダイナミクスの変化が予測しやすくなるので、ドライバーはステアリングやスロットルをよりシンプルかつ直感的に操作できます。このシステムは、伝統的な電子制御スタビリティ・コントロールシステムを補佐します。Ferrari Roma と同様、Ferrari Roma Spider のマネッティーノも5ポジションです。「Race」モードの導入によって、ハンドリング性能とトラクション性能をいっそう引き出しやすくなっています。フェラーリ・ダイナミック・エンハンサーも稼働するこのモードは、ステアリングを握る楽しさが高まるよう設定されています。

この驚くべき成果によって、Ferrari Roma と同じ卓越したハンドリングとパフォーマンスが確保されています。進歩をもたらした要素は2つあります。第1の要素は、一体化したユニークなウィンド・ディフレクターで、これが乗員の快適性を大幅に引き上げています。第2 の要素は、リアシートのヘッドレストをトノカバーのデザインと視覚的に一体化したことです。電動式ファブリック製ソフトトップは、現ラインアップの他のスパイダーモデルに搭載するリトラクタブル・ハードトップと同等の快適性が保証されています。大型のガラス製リアスクリーンは、ソフトトップのジオメトリーと完全に一体化しています。ファブリックは5層構造で、風切り音やロードノイズを抑え、高速走行時でも静粛です。開発では、ソフトトップに特有のバルーン現象の抑制にも、特別な注意を払いました。フェラーリのエンジニアが採用した技術的ソリューションによって、この点においてもクラストップの性能が保証されています。ソフトトップの稼働メカニズムは、軽量かつ強靱に設計されています。Z字型の動きを採用したことで、技術的な限界が新たな高みに押し上げられ、最高60km/hで走行中も、わずか13.5秒でソフトトップが折りたたまれます。格納されたルーフが占める空間は、高さわずか220mmで、同カテゴリー最小です。これによって、トランク容量がたっぷり確保されています(ルーフ展開時にクラストップの255リッター)。ウィンド・ディフレクターの展開時に使用するガス・スプリングは、展開中のどの段階でも、あらゆる状況下で、制御されたスムーズな動きとなるよう、細心の注意を払って設計・開発されました。ウィンド・ディフレクターは最高170 km/h まで展開でき、安全に展開できるよう、メカニズムは車速で自動的に制限されます。いったん展開されれば、どんな車速でも使用可能です。ウィンド・ディフレクターは、通常のバックレストの機能をすべて備えています。後席の乗員が体を預ける部分には、快適になるようパッドが入っていますが、フロントシートが後方に下がっていても展開できる形状です。中央のダクトは、両側に作用する気圧を相殺し、ディフレクターの動作の効率性を引き上げています。後席からトランクにかけてのエリア全体を徹底的に研究して、このシステムのキネマティック・ポイントを割り出し、動きや重量に対して最適化しました。

卓越した品質基準と、さらなるカスタマー・サービスの充実を目指すフェラーリでは、Ferrari Roma Spider に7年間の純正メンテナンス・プログラムをご用意しております。フェラーリの全ラインアップを対象としたこのプログラムは、最初の車両登録から7 年間、お客様のフェラーリのパフォーマンスと安全性が最高の状態で維持されるべく、すべての定期メンテナンスを保証するフェラーリならではのサービスです。この特別なサービスは、認定中古車を購入されたお客様にもご利用いただけます。定期メンテナンス(20,000kmごと、もしくは毎年1回。走行距離制限なし)では、純正スペアパーツおよび最新の診断テスターを使い、マラネッロのフェラーリ・トレーニング・センターで研修を受けた有資格者による詳細な検査を受けていただけます。これは純正メンテナンス・プログラムの魅力のひとつにすぎません。このサービスは、全世界の市場で展開する正規ディーラー・ネットワークにてご利用いただけます。マラネッロで製造された車両が誇る優れた性能と素晴らしさの維持を願うお客様に向けて、フェラーリはこれまで展開してきた幅広いアフターセールス・サービスに加えて、この純正メンテナンス・プログラムを導入し、さらなるサービスの向上に努めています。

<エンジン>

タイプ

V8 - 90° ツインターボ

総排気量

3855 cc

ボア&ストローク

86.5 mm x 82 mm

最高出力*

456 kW(620 cv)/ 5750 - 7500 rpm

最大トルク

760 Nm / 3000 - 5750 rpm

最高許容回転数

7500 rpm

圧縮比

9.45:1

比出力

161 cv/L


<サイズ&重量>

全長

4656 mm

全幅

1974 mm

全高

1306 mm

ホイールベース

2670 mm

フロント・トレッド

1652 mm

リア・トレッド

1679 mm

乾燥重量**

1556 kg

乾燥パワーウェイトレシオ

2.5 kg/cv

重量配分

48% フロント / 52% リア

燃料タンク容量

80 L

トランク容量

255 L


<タイヤ>

フロント

245/35 ZR 20 J8.0

リア

285/35 ZR 20 J10.0


<ブレーキ>

フロント

390 x 34 mm

リア

360 x 32 mm


<トランスミッション&ギアボックス>

8 速F1 DCT


<電子制御>

EPS, VDC, ABS/EBD, F1-TCS, E-Diff3, SSC 6.0, FDE, SCM-E Frs


<パフォーマンス>

最高速度

> 320 km/h

0-100 km/h

3.4 秒

0-200 km/h

9.7 秒

100-0 km/h

32 m

200-0 km/h

130 m


<燃料消費量/CO2排出量>

燃料消費量

ホモロゲーション取得申請中

CO2 排出量

ホモロゲーション取得申請中

 * 98 オクタンガソリンにて

 ** 軽量オプション装備車

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