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クライアントの希望に添ってフェラーリのデザイナーがデザインしたユニークな新ワンオフモデルが誕生
BR20 はGTC4Lusso のプラットフォームをベースとする2 シーターV12 クーペ

2021 年11 月11 日、マラネッロ発  本日、跳ね馬のワンオフシリーズ最新作、Ferrari BR20 が発表され、マラネッロのラインアップの中でも最もエクスクルーシブなグループに加わりました。クライアントの指定に基づいて、ユニークな要望を明確に表現するようデザインされた、たった1 台の完全なビスポークモデルです。

BR20 は、GTC4Lusso のプラットフォームをベースに開発された2 シーターV12 クーペです。
その哲学とアプローチは、1950~60 年代の偉大なフェラーリ・クーペを巧妙に参照していますが、懐古趣味はまったく感じさせません。タイムレスなエレガンスとたくましいスポーティーさを融合させるというチャレンジングな課題を見事にこなし、410 SA や500 Superfast など、フェラーリ史に残るアイコニックな12 気筒モデルの典型的なスタイリングテーマをさりげなく取り入れています。

極めて滑らかなファストバックのラインをさらにダイナミックにするため、GTC4Lusso の2 つのリアシートは取り外されました。BR20 はオリジナルより3 インチ長く、特徴的なリアのオーバーハングによって、プロポーションを美しく強調するシルエットとなっています。このワンオフのデザインプロセスでは、キャビンボリュームの大胆な改変がポイントのひとつとなりました。これによって、フラヴィオ・マンゾーニ率いるデザインチームは、革新的なプロポーションを構想する自由を得て、最終的に、力強いと同時に統一感のあるエクステリアデザインを生み出しました。

キャビンの新デザインソリューションによって、A ピラーからリアスポイラーにかけて、2 組のアーチが前後をつなぐ印象が生まれました。アーチ後方のふくらみは、えぐられて空力的な通り道となっており、空気の出口はスポイラー下の黒い帯で隠れています。フェラーリの「フライング・バットレス」のテーマをこのようにモダンにアレンジしたことで、フェラーリGT の伝統はもちろん、599 GTBFiorano といったスポーツカーに見られる跳ね馬のスタイリング上の特徴とも、強いつながりを感じられるデザインとなりました。キャビンを視覚的に軽い印象とするため、ルーフをブラックでペイントしてフロントウィンドウからリアスクリーンまでつないでおり、リアスクリーンは気流を導くようにテールゲート表面から立ち上がっています。

たくましいリアバンパーは、車両の他のアグレッシブなルックスと美しく溶け合い、ツイン・テールライトは、低く配置されたテールパイプと視覚的に響き合っています。その周囲の力強い空力的ディフューザーには、アンダーボディに可動フラップが設けられています。BR20 では、円筒型のテールパイプ先端さえ、このビスポークモデルのために専用にデザインされました。

BR20 にはカーボンファイバー製のディテールがふんだんに使われ、この並外れた四輪駆動モデルの先端的な動的特性とパワフルなパフォーマンスを強調しています。分厚い曲線的なサイドシルも、サイドボディ下部のダイナミズムを強め、フロントのホイールアーチに接するエアベントを強調しています。ワイドなフロントグリル上部にはカーボンファイバー製エレメントを装着し、最近のフェラーリ・ワンオフとのスタイリング上の一貫性を感じさせます。また、珍しいクロームのサイドインサートも、フロントのダイナミックなスタンスを印象づけています。

BR20 のユニークな個性をさらに強調するのが、フロントグリルでひときわ目立つ水平の新スリットで、力強い立体感を醸し出しています。BR20 のためにデザインされた専用エレメントは数え切れないほどありますが、その最たるものがモディファイされたヘッドライトです。GTC4Lusso より低い位置にあり、DRL がよりスリムなので、ボンネットがいっそう長く滑らかに見えます。濃淡のあるダイヤモンド仕上げの20 インチホイールも、このユニークな1 台のために特別に作られました。

BR20 はインテリアも印象的です。濃淡2 色のブラウンのレザーとカーボンファイバーでトリミングされ、クライアントの希望に従って絶妙な組み合わせが開発されました。シートはヘリタジ・テスタ・ディ・モロというダークブラウンのレザーで覆われ、前面には特別なパターンとシルバーのクロスステッチが施されています。車内空間は、フロントウィンドウから後部のラゲッジ・コンパートメントまでさえぎるものがないため、乗り込むと明るく軽快な印象を受ける点もユニークです。リアベンチとラゲッジデッキは、オークにカーボンファイバー製インサートがあしらわれており、これをフラットに折りたたむと、奥行きのある荷室とドアハンドルが現れます。

長年のクライアントのためにデザインされ、クライアントが創造のあらゆる過程で深く関与した点で、Ferrari BR20 は伝統的なコーチビルダーの技の典型例といえます。既存モデルを優れた技術とユニークな方法で変貌させて、フェラーリの中核理念である革新と情熱をインスピレーションに、それにオマージュを捧げる1 台が完成しました。

スペシャル・プロジェクト

「スペシャル・プロジェクト」プログラムの目的は、いわゆる「ワンオフ」と呼ばれるユニークなフェラーリを生み出すことです。要望に添ってエクスクルーシブなデザインが作り出され、クライアントは唯一無二のモデルのオーナーとなることができます。各プロジェクトは、クライアントのアイデアを出発点として、それをフェラーリ・スタイリングセンターのデザイナーチームが発展させます。車両のプロポーションとフォルムを決定したら、デザインを詳細に検討し、スタイリング用クレイモデルを製作してから、新ワンオフの製造に取りかかります。全プロセスには平均1 年以上を要し、その間、クライアントはデザインの評価や検証プロセスに密接に関わります。こうして誕生したユニークなフェラーリは、跳ね馬のロゴを装着し、マラネッロ生まれの全モデルと同じ卓越した水準で設計されています。